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Do it Story
2023年5月2日(火)から7日(月)にかけて、野外シアターイベント『SEASIDE CINEMA 2023(シーサイドシネマ)』を、横浜ベイエリアを舞台に4つの施設(横浜赤レンガ倉庫、MARINE & WALK YOKOHAMA、横浜ベイクォーター、横浜ワールドポーターズ)で開催しました。
今年は、3年ぶりに新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和された『SEASIDE CINEMA』。その影響もあってか、各会場で例年以上の参加者の興奮を感じました。
『SEASIDE CINEMA 2023』のキービジュアルは、映画をテーマにした漫画作品『海が走るエンドロール』(秋田書店「月刊ミステリーボニータ」連載)とコラボ。作者のたらちねジョンさん描きおろしのイラストで、イベントに花を添えました。
01 ●THEATER RED BRICK(横浜赤レンガ倉庫)
THEATER RED BRICKでは、日本が世界に誇るアニメーション映画である映画『聲の形』『犬王』『竜とそばかすの姫』『千と千尋の神隠し』『コクリコ坂から』の5作品を上映しました。
この会場の特徴は何と言ってもその開放感とスケール! 『SEASIDE CINEMA 2023』の中でも最も大きな芝生が広がる「赤レンガパーク」で、約450インチの特大スクリーンから流れる物語に没入することができます。
来場者の中にはレジャーシートはもちろん、飲食物を置くミニテーブル、ブランケットといった防寒グッズなど“完全装備”する人の姿も多く見られ、イベントとともに参加者の楽しみ方も進化してきたことを感じました。
「初めて来ましたが、子どもたちと話しながら見られるし、足も伸ばせるし、すごくいいイベントだと思います。まず、外にいるだけで気持ちがいい! 人におすすめしたいです!」
無発声“狂騒”応援上映となったミュージカルアニメ『犬王』では、サイリウムを持ったファンが会場を埋めつくし、さながらライブ会場のような熱狂に…横浜赤レンガ倉庫から温かな橙色のライトも反射する中、サイリウムが赤に、青にとゆれる光景は圧巻で、映画館や自宅では味わえない一体感と高揚が会場全体を包みました。
また、『千と千尋の神隠し』、『コクリコ坂から』といったスタジオジブリ作品が『SEASIDE CINEMA』悲願の初上映! 当日は多くのジブリファンがかけつけ、屋外で作品を観直したことで涙を流す人も…
私たちDo it Theaterも改めて、日本のアニメーションの偉大さと、この場所だからこそ届けられる映画体験の価値に気づかされる5日間となりました。
「母と娘2人、娘のフィアンセの4人で来ました。みなとみらいをバックに好きな映画を観られるなんて普段はないこと。音響も良くて最高でした。また来年も来ます!」
02●THEATER MARINE & WALK(MARINE & WALK YOKOHAMA)
スタイリッシュな若者が多く訪れたTHEATER MARINE & WALKでは、「海辺にできたポップアップシアター」をテーマに、近年のものから往年の傑作作品まで5作品をセレクト。『カモン カモン』『NOPE/ノープ』『偶然と想像』『恋する惑星』『コーダ あいのうた』という、映画好き垂涎のラインナップで上映を行いました。(『コーダ あいのうた』は大雨の影響により上映中止)
この会場は、スクリーン奥にインターコンチネンタルホテルが見え、左右は横浜の海とMARINE & WALK YOKOHAMAの屋外モールという抜群のロケーション。また、もはや恒例となったサッポロビールの「SORACHI 1984」のサンプリングブース、ブルーカーペットと車、看板のモニュメントも会場を彩ります!
上映では、「絶対に空を見上げてはいけない」という不穏なキャッチコピーが話題となった『NOPE/ノープ』を夜空の下で観たり、元町中華街で中華を食べてから香港映画の名作『恋する惑星』を観たりと、この日この場所でしかできない映画体験を求める人たちが殺到。超満員御礼で、入場規制を行わざるを得ない日もあるほどの盛り上がりを見せました。
「毎年来ています。横浜全体でこんなに大規模にやっている映画イベントなんて他にないので、フェス感があって楽しい!色々な会場の作品の中から観たいものを選べるのが気に入っています!」
「SNSで知って初めて来ました。昼間からビールを飲めたりして、解放感がすごくあります。映画館はよく行くんですけど、外で観ることでより映画を楽しめると思いました!」
「今日、たまたま横浜に遊びに来ていたので立ち寄りました。野外シネマは憧れでしかなかったんですけど、外でこんなに心地いい風を浴びながら、海を見て、好きなものを飲んで食べてって、最高です!」
03●THEATER BAY QUARTER(横浜ベイクォーター)
THEATER BAY QUARTERでは、ハリー・ポッターを特集。『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』『ハリー・ポッターと謎のプリンス』の4つの物語を上映しました。
この会場では今年からスクリーンの向きを変え、より横浜の夜景を見渡せるように改良。また野外フェス感を楽しむために芝生をしき、より多くの人が映画を楽しめるように工夫をしました。
会場一番のこだわりは、映画の世界を反映した空間美術。スタッフがホグワーツ寮生のローブを着ていたり、作中に登場するテントや旗を装飾したり、ハリー・ポッターの世界観が詰まったフォトスポットがあったり…。きめ細やかな演出で、全方位からファンのテンションを高めます!
さらに日中は、魔法の地図をヒントにカードを集めて、特製タトゥーシールをゲットする謎解きラリーイベント「ベイクォーターと魔法の地図」も開催! ハリー・ポッターファンや家族連れが、地図を片手に笑顔で施設内をかっ歩する様子が見られました。
「幼馴染と2人で来ました!映画館だと喋れないけど、野外だと喋りながら観られるし、開放的で楽しいです。(ラリーイベントで)施設を4か所回って、タトゥーシールももらいました!」
「ゴールデンウィークのイベントを探して、東京から初めて来ました! ずっと野外シネマを体験したかったんですけど、非日常感と(会場美術の)こだわりが、すごくいいなと思います。他の会場でも観てみたいと思いました!」
「ハリ・ポッターが大好きなので、このイベントを探して来ました。始まる前ですけど、楽しくてもうビールを飲んでいます(笑)。スタッフがローブを着ていたり、フォトスポットがあったりしてテンションが上がるし、ファンが安心して楽しめるイベントだと思いました!」
04●THEATER WORLD PORTERS(横浜ワールドポーターズ)
THEATER WORLD PORTERSでは、5月3日の1日限りで名作『フラガール』を上映しました。
この会場では昨年、車から映画を観るドライブインシアターを行いましたが、今年は野外上映にシフトチェンジ。みなとみらいの景色が一望でき、日中は富士山も見える最高のロケーションを、より肌で感じられる会場に進化させました。
また昼間には作品に合わせて、タヒチアンダンスのショーも開催! 来場者には花飾りが配られるなど、一日を通して南国の雰囲気を醸成し、映画への期待感を高める工夫も行われます。
上映中は、フラのリズムに体を揺らしたり、笑える場面で手を叩いて笑ったりと、野外シネマだからこそできる楽しみ方で会場は大盛り上がり! 来場者の表情から特別な映画体験を楽しんだことが伝わってきました。
「昨日急きょ『行こう』となって、朝の10時半から整理券をもらいに並びました!外にいるだけでお祭り感があるし、話しながら観られるのも特別感があります!」
「今日は結婚記念日なので、楽しみに来ました!コロナになってからあまり外に出る機会がなかったので、こうやって家族で話しながら大好きな映画を観られて良かったです。来年も楽しみにしています!」
05まとめ
今年の『SEASIDE CINEMA 2023』は、新型コロナウイルス感染症の行動制限緩和規制緩和もあって、過去最高と言っていいほどの盛り上がりを見せました。
横浜・みなとみらいの景色と潮風の中で一日中、恋人、家族、仲間と好きな映画を満喫する幸せ。そして上映が終われば、「映画」を、「横浜の街」を、「一緒に来た人」をもっと好きになっている。そんな体験を皆様に与えられたのなら、これ以上の喜びはありません。
『SEASIDE CINEMA』は、ここでしかできない映画体験を生み出す日本最大級の野外シアターイベントとして、これからも進化し続けます。来年のGWも、またこの街でお会いしましょう!
(Do it Theater一同)
writing:前多勇太
photo:宇田川俊之