STORY
Do it Storyシアター体験をプロデュースするDo it Theaterは、9月27日(水)に「Cinema Pizza Party!」を代官山のシアターギルド®で開催しました。
01映画ファンが集うパーティーを主催!
この「Cinema Pizza Party!」は、映画業界と映画以外の業界がクロスオーバーする、ピッチ&ブレストパーティです。参加条件は「映画ファンであること」、ただ1つ。来場者は、いち「映画ファン」としてフラットに交流を深め、そこで起きる化学反応によって、新たなシネマカルチャーが生み出されていくことを目的にしています。
当日は映画配給会社や制作会社の社員、映画ライターなどの業界関係者と、画家、美容師、飲食店経営者などの映画ファンが、ピザとビールを手に映画談義で大盛り上がり。「好きな映画」や「気になる監督」の話題から交流が始まると、いたるところで弾んだ会話が繰り広げられ、会場のBGMが聞こえないほどの賑わいを見せました。
また、イベントでは招待ゲストによるピッチも行われました。このピッチでゲストは、「こんなシネマカルチャーを生み出したい」「生み出すためにこんな人と取り組みたい」という発表をします。するとすぐに、そのビジョンに共鳴した映画ファンが話しかけに行くなど、業界の垣根を越えて未来の目標を共有し合う場にもなりました。
さらにピッチの中では、「ピザを食べながら見たい映画」というテーマで、各自がオススメ映画を紹介する企画も行われました。この企画では会場から「わかる~!」という共感の声が上がるなど、それぞれのオススメを全員で楽しむ一体感が発生。また、映画ライターの女性と美容師の男性が同じ映画(アラン・モイル監督の『エンパイア レコード』)をプレゼンする偶然も起きるなど、この企画でも、さまざまな会話の種が生まれていました。
02「Cinema Pizza Party!」を始める理由
イベント終了後、この会を企画したDo it Theater 代表の伊藤大地と、イベントをパートナーとして支えたサッポロビール「SORACHI 1984」ブリューイングデザイナーの新井健司さんにインタビューをしました。なぜこの会を立ち上げたのか、このイベントを通じてどのようにシネマカルチャーを盛り上げていきたいのか、2人が思いを語りました。
――イベント後の率直な感想を教えてください。
Do it Theater伊藤(以下伊藤)
初開催でどうなるかと思いましたが、映画業界人もそうでない人も、みなさんが楽しそうに映画について話していたのがとても印象的でした。
SORACHI 1984 ブリューイングデザイナー 新井氏(以下、新井)
私も同じ趣味の人が集まる時の熱量や興奮を感じて、「すごくいい空間だなあ」と思って見ていました。ふだん自分がビールについて語る熱量でみなさんが映画について話されていたので、「ふだんの私は周りからこう見えているのか」と新鮮でしたね。
――参加者同士の交流もさかんに行われていましたね。
伊藤 ビールとピザがあることで、全体を通してゆるい雰囲気の会になったと思います。その雰囲気によって、交流も活発になったのかなと。こういうイベントって、ふつうはお堅い営業会みたいになってしまうじゃないですか。
新井 挨拶周りがはじまり、ありがちな名刺交換が行われますよね(笑)。
伊藤 そうですよね(笑)。仕事の話がメインになってしまうんですけど、そうではなく「映画ファンが集うパーティー」として、みんなが楽しく話す光景をつくれたのは良かったと思いました。
Do it TheaterがデザインしたピザBOXやワークシャツなどのオリジナルアイテムも会場を演出
03「これからのシネマカルチャーを育てるために」
――Do it Theaterはそもそも、なぜこのイベントで映画業界とそうでない人たちをつなぎたいと思ったのでしょうか。
伊藤 日本の映画業界にはこれまでに築かれた固定の方法やレガシーな文化が浸透しています。その結果として、イノベーションが起きづらい構造にもなっているので、違う業界からのパワーを流入させたら、映画に新しい可能性を見つけ出すことができるかもしれないと思いました。そのきっかけになるようなことを小さなアクションからでも起こしてみたいと思って、まずはこのパーティーを開催しました。
――映画業界人もそうでない人も、あらゆる映画ファンが交わることで、映画文化が発展していく可能性があるということでしょうか?
伊藤 多くの人と触れ合うことで、映画関係者も業界に生かせる気づきを得ることはあると思います。
また、業界の外には、「映画が大好きで、映画業界を盛り上げたい」という人が本当にたくさんいます。僕たちDo it Theaterも映画業界のど真ん中にいるわけではないけれど、映画を用いてイベントを開催して、街を盛り上げたりしている。そういう「映画ファン」のパワーをもっと使うことが、これからのシネマカルチャーを育てるうえでは大切だと思うんです。
違うジャンルの人が「映画を活用してなにかしよう」と思うことによって、業界に資金も流入するし、映画とのタッチポイントが増えて、文化が発展していく。このイベントでそのきっかけをつくれたらいいなと思っています。
――新井さんは、どうしてこのイベントをパートナーとして支えようと思ったのでしょうか。
新井 伊藤さんの、「シネマカルチャーを育てる」という思いにすごく共感したので、パートナーになることを決めました。
SORACHI 1984は、「冒険しよう。」というブランドメッセージを掲げて、挑戦する人を応援しています。このメッセージと、Do it Theaterさんのやろうとしていることに共通点を感じたので、ぱっと聞いてすぐに「一緒にやりましょう」という話になりました。
――このイベントは無料招待制(ゲストのお連れのみ1000円)でしたが、利益というものは度外視で一緒にやることを決めたのでしょうか?
新井 一般的には、こういう投資はあまりしないかもしれませんが、SORACHI 1984 では面白いと思ったモノや、共感できるコトには積極的に協力すると決めています。
今日、熱量の高いコミュニティにSORACHI 1984を紹介できたことは良かったと思いますし、このイベントを続けて行ったときに、“いつも置いてあるビール”として、参加者の記憶に残っていけば良いだろうと思っています。
――今日来た方の中には、「また来たい」「次は知り合いを連れてきたい」という人も多くいました。このイベントは今後も継続的に行っていくのでしょうか。
伊藤 そうですね。今年中にも、もう1回開催する予定でいます。
新井 今日が全然盛り上がらなかったら、「続けて行くのは難しいね」という話にもなりましたけど、見ている限り間違いなく盛り上がっていましたし、会のコンセプトも正しいのだと分かりました。
この場所で発生した繋がりから、映画文化が発展する何かが生まれてくると思うので、そういうきっかけをつくる場として続けていくことが大事だと思います。
伊藤 招待制で開催していますが、今日来た人がまた人を呼んで、もっと大きな交流をつくっていけたらいいですよね。
誰もマウントを取り合わず、上下関係もなく、「ただ映画ファンとして集まれる会」としてあり続けるだけでも業界に新しい風が吹くと思うので、ぜひ続けて行きたいと思っています。