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Do it Magazine01はじめてのミニシアター
皆さんは映画をどこで観ますか?テレビ、スマートフォン、ホームシアター、映画館。なんでも便利になった現代では映画を観る手段がたくさんあります。
新作映画をいち早く観たい!ということであれば映画館に行くのが一番身近な方法ですよね。でも実は映画館にもいろいろな種類があることをご存知でしたか?映画一つ一つに個性があるように、上映する映画館にも個性があります。
そんな映画館の中でも映画ファンの心を掴んで離さない「ミニシアター」について、映画館通いが趣味のユーコンがご紹介していきます。
02ミニシアターってなに?
日本の映画館は大きく分けて3つの種類があります。シネマコンプレックス(以後シネコン)、名画座、そしてミニシアターです。簡単に説明すると、シネコンは新作映画を全国一斉に上映する封切館。それに対し、旧作映画を上映する映画館は名画座と呼ばれています。そしてミニシアターとは、主に独立系映画会社の配給作品や、シネコンで全国上映されないような小規模作品を上映する映画館のことを言います。
また、ミニシアターでも旧作映画を観れたり、名画座で全国公開から間もない映画を観れたりするため、「時代や客層に合わせた良質な作品を上映しているキュレーション型映画館」が、ミニシアターや名画座の特色とも言えるでしょう。本記事では、上記の理由から名画座もミニシアターとしてご紹介させていただきます。
03ミニシアターの歴史は?
日本では1980年代後半から「ミニシアターブーム」というものが起こりました。娯楽映画を上映していた大規模の映画館に対し、ヨーロッパの良質な、芸術性の高い作品を上映するミニシアター群が誕生し、アートシアターと呼ばれていた時もあったそうです。
当時ミニシアターはアートや文化発信拠点としての最前線を担っており、カルチャーに敏感な若者たちが行列を作っていました。
しかし、テレビ局主導の大作邦画の増加による洋画離れ、デジタル化に伴う映画館側の設備負担など、いくつかの要因によってミニシアターブームは減速。また、上映作品本数の増加で映画の新陳代謝が早くなり、1本の映画が上映されるの寿命が短くなったことも原因のようです。
04どんなミニシアターがあるの?
残念ながら既に幕を下ろしてしまったミニシアターもありますが、日本にはまだまだ魅力的なミニシアターが多数あります。シネコンに比べ、省スペースのミニシアターは商店街や繁華街に隣接していることが多く、街の特色を映す鏡のような存在でもあります。そんな点にも着目しつつ、いくつか特徴の異なる個性派ミニシアターをご紹介します。
※ 2020 年 7月時点の情報です
早稲田松竹(新宿区)
キュレーションされた映画を二本立てで上映。二本一緒にみる事によってまた違った映画の楽しみ方が味わえる。スタッフ渾身のオリジナルフライヤーのセンスにも脱帽。
パルシネマしんこうえん(神戸市)
公園の角に位置する映画館。時が止まったかのようなレトロな商店街を抜けると、これまたレトロな佇まいの映画館が待ち構えている。映画館に入る前と観た後で、映画の余韻を楽しめるような不思議な世界観を持ったシアターで、こちらも二本立て上映。
公式HPはこちら ©パルシネマしんこうえん
桜坂劇場(那覇市)
沖縄の台所とも言われる牧志公設市場を抜けて坂を上がった場所にある、カフェ、雑貨店、シアターの三つが同居するカルチャーコンプレックス。ライブや講座なども行われており、世代を問わず、文化の交流地点になっているミニシアター。
05通いたくなるミニシアターと出会う方法
ミニシアターと出会う方法:デビュー編
どのミニシアターへ行けばいいのか迷う方、特に観たい作品が決まっていない方。まずはデビューすることが大切です!近所にお気に入りのパン屋さんを見つけるのと同じ感覚で、まずは自宅から行きやすい映画館を見つけてみましょう。Googleマップで「近くのミニシアター」と検索すればお手軽にミニシアターを検索できますよ。
行きやすそうな映画館があったら上映プログラムをチェック。興味ありそうな映画を上映していればそれは運命だと思って、その映画館に行ってみましょう!近場に映画館がない、これといった決め手がない、という方はまず映画館の周りにある素敵なお店を見つけてみるという方法も。気になるエリアやカフェ、レストランなどの近くにミニシアターがないか探してみましょう。いきなりミニシアターを目的に出かけるのはハードルが高いという方にオススメの方法です。
ミニシアターと出会う方法:マニア編
次は自分のお気に入りを見つけるための、ちょっとだけ通なミニシアターの選び方をご紹介します。まずはシアターの作りに注目してみましょう。シアターの壁って映画館によって異なるということにお気づきでしょうか?映画館はスピーカーの配置、壁の素材や形状、天井の高さなどによって映画の音の聞こえ方が全く変わってきます。セリフがクリアに聞こえるドラマ系の作品を観るのに適しているシアターもあれば、シアターの小ささを活かしてサブウーファー(低音スピーカー)の振動を最大限にきかせた、ド迫力アクション映画にマッチするシアターもあります。自分の耳を頼りにお気に入りの映画館を見つけるというのも一つの方法です。
そして各映画館のSNSをフォローしてみましょう。映画館のスタッフは映画を愛しているプロの方達なので、映画のプロによる作品紹介は観たい作品を見つける上でとっても参考になります。映画館で行われるトークショーやライブなどの映画上映以外のイベント情報もいち早く入ってくるので、映画を観る以外でもカルチャーに触れられる機会が増え、ミニシアターを選ぶガイドになるはずです。
06DoitTheaterがおすすめする「ミニシアターの楽しみ方」はこれだ!
ここからはDo it Theaterがおすすめするミニシアターをもっと楽しむ方法を提案します。
あえて余裕を持ってミニシアターに着いてみよう
映画鑑賞前に余裕のあるひとときを設けてみましょう。ちょっといいレストランで最初の一皿を待っている時ってワクワクしませんか?そのワクワク感をぜひ映画館でも味わっていただきたいのです。
ミニシアターのロビーは映画情報の宝庫なり
ロビーや廊下に展示されているポスターや記事の切り抜きを読んだり、眺めたり。他の映画のフライヤーを手に取り、次に観たい映画を見つけるのも映画上映前の待ち時間の過ごし方の一つです。
こだわりのフードとドリンクを買ってみよう
小腹が空いていたら、ぜひの売店のメニューを覗いてみましょう。期間限定の映画コラボドリンクや、こだわりのホットドックなど専門店顔負けのラインナップを揃えているミニシアターもあります。
スマホを切ってデジタルデトックス
いよいよ上映、となったらスマホの電源をOFFに。これは映画鑑賞時のマナーなので当然のことですが、映画上映中は最高のデジタルデトックスの時間。仕事や学校のことは忘れてどっぷりと映画の世界に浸りましょう!
映画の余韻を楽しもう
誰かと一緒に観に来たのであれば、ぜひ鑑賞後にミニシアターの近場のお店でお茶でもいかがですか?映画の感想を話しながら、観たばかりの映画にゆかりのあるフードなんかもオーダー出来たら最高です。
ミニシアターの周りはお洒落なカフェや飲食店が多いので、すぐに帰ってしまうのはもったいないですよ。
07最後に
今回はミニシアターとの出会い方、楽しみ方をご紹介させていただきました。「ミニシアターってちょっとハードルが高い」と思っていた方も、今後は気軽にミニシアターへ足を運んでいただけたら嬉しいです。そして、ミニシアター以外にも映画を観る機会や場所はたくさんあります。パン屋さんが併設された映画カフェや、オーケストラをバックに映画を観るシネマコンサート。そしてDoitTheaterが得意とするドライブインシアターや野外シネマなど!DoitTheaterはこれからも様々なシアター体験をプロデュースしていきますので、映画体験の選択肢の一つに加えていただけたら嬉しいです!