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Do it Magazine01イベントレポート
シアター体験をプロデュースするDo it Theaterは、6月26日(水)に有限会社ロングライドと共同で、映画『ブリーディング・ラブ はじまりの旅』のシークレットスクリーニングを東京都渋谷区にある「CAROLINE DINER(キャロライン ダイナー)」で開催しました。
「シークレットスクリーニング」は、Do it Theaterが新たにはじめた完全招待制の上映会イベント。今回はロングライド配給作品『ブリーディング・ラブ はじまりの旅』と、コラボレーションという形で実現。“映画の試写会をより記憶に残る体験へ”という想いのもと、ユアン・マクレガー(以下、ユアン)ファンが集まるプレミアムなイベントが実現しました。
今回上映した映画『ブリーディング・ラブ はじまりの旅』は名優ユアンと実娘クララ・マクレガー(以下、クララ)がW主演する、マクレガー親子の経験から生まれた愛と回復への旅を描いた物語。
本企画は、ユアンの大ファンでもある本作の宣伝プロデューサーの大場琴美さんの想いのもと、映画の世界観に合う会場を探すところからスタートし、映画の中にも出てくるアメリカンダイナーのイメージに近い「CAROLINE DINER」と出会い、実施が決定しました。
今回は参加者20名のプレミアムな試写会ということもあり、当選者にはオリジナルのインビテーションを送付。試写会開催をより楽しみにできるような演出を施しました。
当日は、お店の入口に映画のポスターとDo it Theaterのネオン看板を飾ってお客様をお出迎え。今回の試写会を象徴するようなフォトジェニックな空間になっていました。
カウンターの脇を抜けて、地下へと続く螺旋階段を降りていくと、そこにはスクリーンが。
会場には、大場さんが自身でコレクションしているユアングッズや、過去作品のパンフレット(『T2 トレインスポッティング 』『人生はビギナーズ』『ビッグ・フィッシュ』など)を展示。上映を待つ時間も、ユアンファンを飽きさせない空間となりました。
上映後には、大場さんによるトークを実施。本作が作られた背景や日本での配給に至った経緯、今回が初長編となる注目の気鋭、エマ・ウェステンバーグ監督についてなど、映画ファン興奮の制作秘話に会場の熱は更に高まりました。
その他、宣伝期間中の取材で監督やクララが話していたこと、ユアンとクララがアメリカの人気番組に出演した時の話など、普段はなかなか聞くことができないような貴重なエピソードも。ユアンの大ファンである大場さんならではの視点を交えたトークに、参加された方々も前のめりに楽しみながら聞き込んでいました。
最後は、お客さんも交えての「ユアンを好きになったきっかけの映画」などを語り合い、映画『ブリーディング・ラブ はじまりの旅』シークレットスクリーニングはあたたかい空気の中、幕を閉じました。
02来場者インタビュー
映画『ブリーディング・ラブ はじまりの旅』シークレットスクリーニングに参加された方々にもお話をお聞きしました。
Aさん
――試写会に応募したきっかけを教えてください。
もともとユアンのファンであることはもちろん、父と娘の親子愛のお話というところがすごく気になったので応募しました。
――実際に映画を鑑賞されて、いかがでしたか?
実の親子というところもあり、空気感がすごくよかったです。親子でもなかなか向き合うことは難しいですし、特に若い頃は反抗心もあったりするけれど、二人の決断や選択にすごく感動しました。父も娘もお互いに、そして自分自身とも向き合えたところがすごくよかったです。あと、自分の若い時の父親との関係のこととかを思い出しましたね。
――今回のような特別な会場での試写体験はいかがでしたか?
普段、映画の試写会にはよく行っているんですけど、今回は劇中にも出てきたアメリカンダイナーの会場ということで、没入感を感じられて、すごくよかったです。どこかあの親子に近づけたような、気持ち的にも入り込める環境でした。
Bさん
――試写会に応募したきっかけを教えてください。
もともとユアンのファンだったのと、ユアンが娘と共演するというところが気になって応募しました。
――実際に映画を鑑賞されて、いかがでしたか?
家族の関係って家庭ごとにいろいろ違うと思うんですけど、父と娘の関係がすごく刺さりました。人間はそれぞれいろんな問題を抱えているけれど、お互いに愛情を持って向き合えば乗り越えていけるのかもしれない、と思わせてくれるような、すごくあたたかい映画でした。人前ではあまり泣かないんですけど、ラストはグッときて泣きそうになりましたね。
――今回のような特別な会場での試写体験はいかがでしたか?
こういう場所で映画を観る経験がなかったので、とてもワクワクしましたし、楽しかったです。あと、上映後に映画に関する情報もお話いただいて、知らなかったことをお聞きできましたし、映画が作られた背景も知れて、より映画に深みが出ました。お話を聞いて、改めてすごく好きな映画だなと思いました。
Cさん
――試写会に応募したきっかけを教えてください。
映画は、ユアンファンの友達から教えてもらって知りました。親子共演というところがすごく気になって、「早く観たい!」と思って今回試写会に応募しました。
――実際に映画を鑑賞されて、いかがでしたか?
いろんな作品のオマージュシーンがあって、ユアンファンであればあるほど楽しめる作品だと思いました。自分の親との関係や子供との関係とかをちょっと見直そうかなって思ったり、いろんな感情を揺さぶる作品だったと思います。主題歌もすごくよかったです。
――今回のような特別な会場での試写体験はいかがでしたか?
少人数だったので、初めは少し不安な気持ちもあったんですけど、来てみたらユアンのファンの方たちばかりでなんか嬉しかったです。上映後のトークも熱い話がたくさんで、すごくいい機会でした。公開したら映画館でも観たいと思います。
03有限会社ロングライド 大場様インタビュー
イベント終了後、今回の特別試写会をDo it Theaterとともに企画した、ロングライドの大場琴美さんにお話を伺いました。
――イベントお疲れさまでした。上映後のトークも含め、とても満足度の高いイベントだったのではないかと思います。映画『ブリーディング・ラブ はじまりの旅』シークレットスクリーニングを終えて、いかがですか?
今回の試写会では、映画やハリウッドスターが好きな方やユアンファンが集まっていたので、お客さん同士が“何か同じ感覚を持っている”みたいな一体感が生まれていたように思います。しかも、映画にも出てくるアメリカンダイナーで実施できたので、すごく特別な体験が作れたのではないかと感じています。さらっと1人で映画館で観るのとはまた違う、1つの思い出になっていたら嬉しいですね。
――実施後、SNSにも素敵な投稿がたくさんありましたよね。
写真や画像をつけて複数投稿してくれていたり、しっかり「#親子愛に涙」のハッシュタグをつけてくれたりしていて、かなり熱量のある投稿が多くて嬉しかったです。
――ちなみに今回の試写会はどのように募集をしたのでしょう?
試写会募集の記事をDo it Theaterさんが作ってくださって、その他はいつも行っているように、映画の公式X(今回はDo it Theaterのアカウントも)をフォロー&リポストするという形で募集しました。ただ、今回は20名という限られた人数だったのでよりユアン愛が強い方に参加いただきたく、ユアンに対する熱い思いを書いた方は当選率アップという施策を行いました。
――今回はなぜ、Do it Theaterと一緒に特別な環境で試写会を実施しようと思ったのでしょうか?
以前から、映画を見ることはテーマパークや旅行にでかけるのと同じくらいの“体験”だと思っていたので、これまでのDo it Theaterさんの活動を見ていて、すごくシンパシーを感じていたんです。
ほとんどの一般試写は大勢にバーンと見せることが通常になっていますけど、映画って、誰とどういう空間で観たのかということが大切だし、その方が記憶にも残ると思っていて。
――なるほど。
もちろん、宣伝として「いい感想を出してもらいたい」という視点もありますが、映画の雰囲気に合う環境で観たら、よりお客様の満足度も上がるのではないかと。そしてSNSでの満足度の高い投稿によって、作品のもつ素敵な世界観の拡散が、宣伝側の手ではなくお客様からしていただけるので、参加できなかった人たちにも映画の空気が伝わるのではないかと思ったんです。
――今回も、会場の写真とともに感想をアップされていた方が多かったですね。
もちろん実際に来場された方への満足感を作ることも大切ですが、今はSNSの時代なので、特別な試写会を通してより映画を広げて色付けしていけるような気がしているんです。どういう環境でどんなイベントとして映画を見せられるかということが、宣伝部にできることだと思っているので。
――どういう環境で1本の映画と出会えるかって結構大事なことですよね。
映画の宣伝方法は、作品のジャンルやターゲット、上映規模にもよって変わってきます。本作に関しては、ユアンと同世代の人たちにはぜひ見てもらいたいと思いましたし、作り手に若い女性スタッフが集まっているので、きっと若い層にも響く映画であるだろうと思って。そして、映像やルックなどがおしゃれなので、若い映画ファンにも刺さるのではないかと考えていました。
――では今回は、いろんな条件がマッチしていたので実施してみようと?
そうですね。映画の中にアメリカンダイナーが出てくるので、そういう環境で試写会ができたら楽しそうと考え始めたところからスタートしました。白壁やプロジェクターなど、上映の条件が合う会場を探して、お店を下見させていただいてからどんどんイメージを広げていって。試写会全体のデザインはDo it Theaterさんが決めてくださって、コンセプトや内容はみんなで詰めていきました。
――Do it Theaterとはどんなお話をしたのでしょう?
(Do it Theater代表の)伊藤(大地)さんから言われた「とにかくユアンファンが集まるイベントにしませんか?」という言葉が印象に残っています。実際に本当にその通りになりましたし(笑)。
装飾に関しては、お店の空間がおしゃれで素敵だったので、そのままの環境を生かしました。あと、イベントの主催者が「作品(とユアン)への愛情が強い」ということが伝わるように、私の個人的に集めていたユアン関連のグッズも会場に飾りました。
――今回のイベントをふまえつつ、これからの試写会の可能性についてお聞きしたいです。実施してみたい試写会の形などはありますか?
実は今回……野外で試写会を企画したかったんです。
――そうだったんですね!
でも試写はクローズドで行うものなので、屋外だと環境も予算的にもなかなか難しく……。
例えば、自然が美しい映画だったら湖のほとりやキャンプ場で観たいですし、夏がテーマの映画だったら、おしゃれな海の家とかで観るのもいいですよね。あと、食事をしながら観るなど、視覚、聴覚以外の感覚を刺激できる環境での実施も面白そうだと思っています。いつかは、作品の内容に合う環境での野外試写もやってみたいです。
――試写会で実現したら話題になりそうですね! でも今回は人数が少なかったからこその一体感というか、熱の高まり方があったようにも感じます。
私がトークの最後に「みなさんは宣伝隊長なんで!」って言ったからかもしれませんが(笑)、試写会後もSNSですごく作品のことを応援してくれている感じがあって、とてもありがたいです。あと、やはりDo it Theaterさんが作ってくれたインビテーションもすごく意味のあるものだったと思います。特別感が生まれますし。
――また、こういった形で特別な試写会が企画されていくことを楽しみにしています。
そうですね! 例えば、新作を公開する監督の旧作や関連作品を野外で有料上映して、新作の宣伝をしたり、それに紐づく形で試写を行ったりするのもありだと思うので。
――ありがとうございました! ぜひまたご一緒させてください。
7月5日(金)新宿ピカデリー他全国公開
『ブリーディング・ラブ はじまりの旅』
©2024 SOBINI FILMS, INC. All Rights Reserved.
監督:エマ・ウェステンバーグ
脚本:ルビー・キャスター、クララ・マクレガー、ヴェラ・バルダー
出演:ユアン・マクレガー、クララ・マクレガー
配給:ロングライド
公式サイト:longride.jp/bleedinglove/
X:@bleedinglove_jp
Do it Theaterではシークレットスクリーニングに興味を持って、一緒にイベントをしてくださる方を募集しています。
mail:info@ditjapan.com
photo:宇田川俊之
interview&text:Sayaka Yabe